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川村晃司氏は東電の走狗に変身!?

下村健一氏のツイッターなどでの補足

2011928日(補足:2012327日)

宇佐美 保

 

(最近、内閣審議官として菅さんを補佐され続けた下村健一氏のツイッター

を訪ねることができ、多くの事を教わりました点などを、この拙文に補足させて頂きます。)

 

 

 私は、最近民放テレビはほとんど見ず、時折、ケーブルテレビで朝日ニュースターを見ます。

但し、愛川欽也氏の司会による「パックインジャーナル」毎週見ています。

 

そして、川村晃司(テレビ朝日コメンテーター)の発言に感銘を受けていましたが、今回の原発事故以降、川村氏が「東電の走狗に変身!」されてしまったように感じ残念で堪りません。

 

 そして、この走狗の発言に騙されないようにとの警告を発信する為、本拙文を書きました。

 

 では、番組「パックインジャーナル」での川村氏の「東電の走狗的発言」を以下に抜粋させて頂きます。

 

 先ずは、618放送での川村氏の「菅内閣の初動」非難です。

 

川村氏:

官房長官が止めたのに、菅さんは俺は、原子力に強いから≠ニ言って、3/12班目さんと一緒に福島原発に視察に行った

その時、現場は総理が来るんだから、対応しなくてはならない。

しかも、菅さんが上空を視察している時に、本来であれば、先にベントをやらなければいけなかったんですよ、総理が上空にいた時に、排気して放射性物質を出すなんて言う事は出来ない。

 

 

私の反論

 菅さんは単なる「福島原発に視察」ではなく、拙文≪菅直人氏は私達の恩人では≫にも書きましたが、その一部を再掲します。

 

東京新聞の記事です。

 三月十二日午前、この建屋の暗闇をライトで照らしながら、まさに「決死隊」が悪戦苦闘していた。

 原子炉を覆う格納容器内の圧力がぐんぐん上がっていた。設計上の最高圧力は五二八`パスカル
それが十二日午前二時半時点で八四〇`パスカルに上がっている

 パンパンの風船に空気を入れ続けているようなものだった。いずれ破裂し、そうなれば大量の放射性物質が外部に放出される。

……

 圧力上昇はこの日未明には官邸に報告されていた。首相の菅直人(64)は、経産相の海江田万里(62)や内閣府原子力安全委員長の班目春樹(62)らと協議し、「ベントしかない」と結論。海江田は午前一時半、東電にべントを指示する。

 だが、いつまでもベント開始の連絡が入らない。海江田は、一時間おきに東電に電話し 「どうしてできないんだ」とせかした。午前六時五十分には、東電へのベント指示を法令に基づく命令へと格上げする

 危機感を抱く菅と班目、首相補佐官の寺田学(34)は午前六時十四分、ヘリで第一原発へと向かった

 「一分遅れたら、それだけ事態は深刻化します」

 班目は機中でも、一刻も早いベントを進言する。

 第一原発に降り立った菅は、東電副社長の武藤栄(60にべント遅れの理由を問いただした。武藤は「電動で開けるベント弁の復旧には四時間かかる」などと言い、煮え切らない

 「手動でもいいから早く開けてください」。いら立つ菅が強い口調で迫ると、所長の吉田昌郎(58)が「すぐやります」と応じた。

 「手動でやれ」という首相の指示。それは被ばくの危険がある中、命懸けでやれという意味だった。

 結局、弁が開くのは海江田の指示から十時間以上かかった。一刻を争うベントは、なぜ遅れたのか。

一つの理由は、東電が電源復旧を優先したことだ。電源が通じていれば、弁は簡単に開けられる。だが電源は戻らなかった。

 暗闇と高い放射線量も妨げとなる。東電は手動でのベントを想定しておらず、当直長らは、そのための訓練も受けていなかった。

 命懸けの作業で、当直長は緊急時の限度(当時)を超す累計一〇六_シーベルトの被ばくをする。同夜、五`離れた福島県原子力災害対策センターで診察を受けた時、見るからに疲れ切っていたが、また第一原発へと戻っていった。 

 

 

 ここで、下村健一氏のツイッターで補足しましょう。

下村健一‏@ken1shimomura

2012.3.9

 

【民間事故調/17】報告書P.79福島の会議室で東電副社長が、ベントできぬ理由を「電力が無くて電動弁が開けられないと説明すると、(菅首相は)『そんな言い訳を聞くために来たんじゃない』と怒鳴った」…確かに、Whyに答えたら“言い訳するな”と叱られた、というのは理不尽にも見えるが⇒

 

そう、官邸にはいなかった。だから、発生の翌朝原発に乗り込んだ時、図面を広げてテキパキと自分の言葉で説明する吉田所長を見て、「やっと話せる相手が見つかった」と菅さんは言った。私も100%同感だった。そこに本当の技術者はいなかったと断言させて頂きます

 

 

 川村氏よこの“福島の会議室で東電副社長が、ベントできぬ理由を「電力が無くて電動弁が開けられないと説明する”をどう解釈されるのですか!?

東電は、菅さんが言った時期、まだ、ベントできる状態でなかったのです。

 

 

 非難するなら、「ベント用のフィルターを付けていなかった」東電ではありませんか!?

未だ、東電の不手際は沢山あります。

 

 

なのに川村氏は次のようです。

 

川村氏:

しかも、その時総理が帰って来た時に、調べてみたら、その時メルトダウンの最中なんですよ。

 

私の反論

516日の衆院予算委員会で、 “福島第一原子力発電所事故で炉心溶融の可能性を認識したのはいつか”との社民党の阿部知子氏の質問に対して、班目春樹委員長(原子力安全委員会)は、「3月11日の事故発生数日後に可能性は認識していた」と又、「3月28日に2号機の地下で高濃度の放射能汚染水があることが分かったときに確信に変わった」と答えています。

 更に、東京電力の清水正孝社長は1号機の炉心溶融を認識したのはいつかとの質問に対し、「先月(4月)に原子炉建屋に人間が入って、原子炉の水位の状況が分かった時点だ」と答えているのです。

 

 

川村氏:

それで、後で、東電のホームページを見れば出ていましたけど、菅総理が来た時、そこは一番放射能が建屋から外へ今の100倍出ていた。

その後に、水素爆発が起きた時、又、出ている。

 

 

私の見解

水素爆発は菅さんの責任ですか?

津波以前の地震による配管の損傷などが原因ではありませんか!?

この点を東電は川村氏の言われる東電ホームページに記述されていますか!?

 

 

更に、川村氏は次のような言いがかりをつけています。

 

川村氏:

そのことを考えると、一番の最高司令官と言うのは、何を今やらなくてはいけないかは、自分が視察に行く事ではないことで、抑えることを徹底しなければ。

あの時に行った事で、どれだけ遅れたかと言う事を含めて言えば、私はやっぱり内閣の初動対応は国際社会からも、水素爆発が起きないと、福島の第一原発は危機的な状態ではないと言い切った、そのニュースが海外に流れた直後爆発。

その時、米国は無人偵察機を飛ばし核種を情報収集したら、いわゆるストロンチウムとかメルトダウンしていなくては出てこない核物質、放射性物質を情報収集した。だから協力を申し出たが、官邸はいらないとはねつけた。

 

田岡俊次(朝日ニュースターコメンテーター):

工程表が出ていることを見ると、東電もメルトダウンが起こっていないと思っていた。

 

 この「水素爆発」は、拙文≪恩人菅さんに唾する東電メディア官僚そして民間事故調(10東電の無責任、決死隊の皆さん有難う御座いました≫の紹介させて頂きましたように古舘さんの番組で、北海道大学原子炉工学研究室 奈良林直教授が、

 

「ベント用配管が、空調用配管とつながっていたため、原子炉建屋にベントされた水素が、空調配管を逆流した結果水素爆発した、
単に設計ミスという軽いものでなくて、
安全や事故に対しての真剣な取り組みがなされなかった
こと自体が大きな問題

と推論されておられます。

 

 

72日の放送から

 

川村氏:

菅さん自身は美味しいとこはパフォーマンスするけど国民受けしないこと(原発再稼働)は海江田さんに任せ切っている。

内閣の方針は、全ての原発は稼働する、その為に浜岡を止めた。

 

 下村さんのツイッターの記述は次のようです。

 

730 下村健一‏@ken1shimomura

 

最近、知人数人との会食の席で、誰かが海江田批判をぶった時
菅さんは「でも彼は、浜岡原発を止める時は本当に頑張ってくれたんだよ」と反論していた
同席の僕も意外に思うほど真顔で。菅さんの中には結構、
3.11からともに戦った海江田さんへの一種の感謝の思いが

 

 

上記の川村氏の発言は、後の93日の川村氏ご自身の発言で無様さを呈します。

 

 

川村氏:

菅さんは両院議員総会で“エネルギー政策は、次の総選挙で争点となる”と発言しているが、辞める総理が言うべき言葉ではない。

 

私の見解

この時点で菅さんが総理を辞めるかどうかは不明ではありませんか!?

 

 

石川好(作家)

「発送電分離」を行うべきだ。

 

 

川村氏:

「発送電分離」を争点として選挙を打てる度胸が菅さんにあるか!?

そんな度胸がある人だったらこんな事態になっていないだろう!?

 

 

私の見解

川村氏が主張するメルトダウンして放射能が沢山漏れている福島第一原発から、直ちに全員撤退するという東電本社にも乗り込んだし、又、その危険な原発に直ちに乗り込んだのは菅さんではありませんか!?

そんな菅さんに度胸がないと川村氏は非難されるのでしょうか!?

 

この東電に乗り込んだ菅さんを(菅さん以前の総理だったらどうだったか分からないと)評価される田岡氏は、

田岡氏:誰がやっても、この位で、ブッシュがやったアフガン、イラク出兵のような失態よりは格段にまし”

 

 更に、先の拙文≪恩人菅さんに唾する東電メディア官僚そして民間事故調(7死を賭した菅さんを葬る東電マスコミ≫に掲げさせて頂いた東京新聞夕刊(315日)の次のヘッドラインから川村氏は何を感じたのでしょうか!?

 

「幹部死んだっていい」「俺も行く」

315菅氏発言東電詳細記録

 

86日の放送から

 

川村氏:

官僚は次の政権を睨んで(菅)総理に協力しないで距離を置いている。自民党にはあったが民主党には政策に対する連帯感がない。

 

 

私の見解

そんな官僚を非難せずなぜ菅さんばかり非難されるのでしょうか!?

脱原発を図る菅さんへの協力を拒否しているのは「原発派」の大多数の議員たち(マスコミなど)ではありませんか!?

 

 

86日の放送から

 

 次の記述の前に拙文≪恩人(菅直人氏)を叩き出した私達≫に引用させて頂いた「東京新聞(201196日:菅前首相への独占インタビュー)」の記事を再掲させて頂きます。

 

── 十五日に東電本店に乗り込むのは、第一原発から退避するという話が一番の原因か

 「十五日の午前三時ごろ、海江田万里経相(当時)から『東電が撤退したいという意向を示している』と。

第二原発は二十`圏です。十基の原発と十一個の(核燃料)プールを放置したら、何時間か何十時間の間に原子炉やプールの水は空になり(炉心は)どんどんメルトダウン(炉心溶融)し、放射性物質が放出される。それで清水(正孝)社長(当時)を呼んで聞いたら、はっきりしたことを言わない。それで本店に統合本部をつくった」

 「撤退なんてあり得ない。撤退したら今ごろ、このあたり人っ子一人いなくなっていたかもしれない。まさに日本が国家として、成り立つかどうかの瀬戸際だった。(旧ソ連)チェルノブイリ事故の何倍、何十倍の放射性物質が出ていたかもしれないんだから」

−統合本部の設置が分岐点だったと。

 「本部を立ち上げ、海江田大臣と細野豪志首相補佐官(当時)を張り付けたことでグリップが効きはじめた。

 米国との関係もそれからうまくいくようになった。心配してくれたが、こちらにも情報がないから伝えられない。それで、隠しているんじゃないかと疑念を持たれた。統合本部に米国の専門家にも来てもらい、不信感がなくなった」

……

 

 そして、この菅さんが東電に乗り込んだ件に関して、

山田氏、石川氏は次のように語っておられます。

 

東電は、逃げようとした。放置したらどうなるかを内閣が試算したら広島型原爆の何百発分の放射能がまき散らされ東京も終わりになる事態もあり得たので、菅さんは東電に怒鳴りこんで逆に、“総理大臣たるものは、デンとしていなくてはいけない、一民間企業に怒鳴りこむとは何事か”とボロクソに非難された。

 

 

川村氏:

官邸が情報を先に公開していれば、“だから総理は行ったんだ”と言う事が分かるんだけど、あのときすでに現場の(福島第一原発の)吉田所長から官邸には“7時間後にはメルトダウンです、後はメルトスルーの可能性もあります”とのファックスが入っているのです。

だから、その時ビシッと指示を出すのが当たり前。受け取っていなかったという人もいますが、そんなことはない筈です。

それなのに官房長官は“直ちには影響はありません”の一点張り。

 

 

私の見解

オイオイ川村さん、そんな事態なのに撤退する東電を非難するのが先決ではありませんか!?

「メルトダウン、メルトスルー」も関係なく事故が起きて危険な原発(如何なる状態かは別にして)を見捨てる東電こそをマスコミも私達も先ず非難すべきです。

 

それにしましても、その後、危険な原発に踏みとどまって作業して下さっておられる吉田所長らフクシマ・フィフティーンの方々には感謝、感謝です。

しかし、彼らが留まって下さったのは、東京からの、電話や、テレビで会議からの指令ではなく、菅さんご自身が数々の危険を顧みず真っ先に原発の現場へ飛んでいった気持が通じていると私は感じているのです。

 

 

93日の放送から

 

川村氏:

経産省のエネルギー政策は「浜岡原発停止を人身御供として、他の原発の稼働」であり、菅さんのエネルギー政策は「この際、根本的に見直さなければいけない。そこから「脱原発依存」になって行く」である。

そのことから、浜岡原発停止に関しては、経産省と菅さんとでは、将来目標が違っていた事が大きいわけです。

そこの部分の製作を今回の野田政権も継続して行くかとなると、どうもこの「脱原発」は、「原発依存、再稼働」の方向を考えているのではとの不安が一寸残ります。

 

 

私の見解

オイオイ、又、又、川村さん何をほざいて居られるのです。

72日の放送での発言はどうされるのですか!?

この私の気持ちを田岡氏が次のように代弁して下さいました。

 

田岡氏:

だったら、経産省、海江田氏より菅さんの方が国民の意向に合った事をやっているわけですよ

では、何故メディアが、菅行政を攻撃するのかが分からない

 

斎藤貴男氏(ジャーナリスト):

 この間の東電の株主総会に行ってきましたが、株主さんからは“私財を売り払って、払え”と取締役達に言う。

だけど、それは一切聞く耳を持たない、勿論、個人でやっている訳ではないにしても、そこら辺の最低の責任を取る姿勢を示して貰わないと!一番中心になっている人たちが“俺は知らない!”で、責任を取った人はいない。

せいぜい清水社長と、もともと辞める予定だった副社長と、原発担当の副社長が辞めただけで、会長以下すべて留任!

以前のデーター改竄の時は、社長以下皆辞めた。

官僚も、原発メーカーの日立、東芝も責任を取っていない。

 

池田香代子氏(ドイツ文学者):

JALに比べても、退職金も給料もそのまま!

 

 

これらの件に関して、川村氏無言!

 

池田香代子氏(ドイツ文学者):

菅さんの置き土産で2つ評価できる。

20年位、帰れない処があるかもしれない”と謝ったこと。

それから、高校の授業料無償化で、朝鮮高校が置き去りになっていたのを“手続きを始めるように”と言った事。

怒らせるとうるさい人が反対する事をやったという事は次の政権に良い置き土産。

 

 

川村氏:

菅内閣としては、もっと早く言わなくてはいけない。

退任が決まってから「最後っ屁」的なところがあって、「どさくさまぎれ」とこの書き方をされる。

同じ政策をやるにも、堂々感が欲しかった。

 

 

 

この件に対する私の異論は、池田香代子氏が代弁して下さいます。

 

 

池田香代子氏:

それは言えるけど、そうであるような国民の支援が伝わらなかった。

 

 

 

以上に書きましたように、川村氏は専ら菅さんを非難されるだけで、東電非難を全く発していません。

 

私は、川村氏が「東電の走狗」に化けてしまったとしか思えません。

 

パックインジャーナルの

司会の愛川欽也氏は、
日ごろ“私は、役者だから、人の表情からその人の心が分かる”旨を語っておられます。

その為でしょうか、愛川氏は、菅さん非難に明け暮れる川村氏に対して
“川村さん、今度どっかで食べながら話しましょうよ”と声をかけて居られました。

 

 

(追記)

他にも沢山、川村氏の可笑しな(?)菅さん非難の言はありましたが、尊敬していた方がこうも走狗に変身してしまうのかと思うと、余りに情けないのでこの辺で失礼させて頂きます。

 

(補足)

 

川村晃司テレビ朝日コメンテーター)の大変身の影に、週刊金曜日(2011.9.2号)の次の記事を見ます。

 

CS放送の赤字子会社と社員を見捨てる『朝日』

 

 潟eレビ朝日(早河津社長)は七月二九日、「朝日ニュースター」を運営する渇q星チャンネル(川原徹郎社長)から、CS放送事業を譲り受けることで大筋合意した、と発表した。……地上波やBS放送とも連携して番組を展開し、競争刀を強める狙い。/放送内容やチャンネル名などについては、テレビ朝日が今後検討するという)と短く報じたが、実は約八三%の株を持つ『朝日』のリストラなのだ。……

 注目されるのが報道姿勢への影響だ。同局ファンはこう話す。「日本のCNNを目指したものの取材力が弱いためか、ニュース解説やトーク番組などが中心ですね。ただ『朝日』政治部出身の、現在の報道局長の度量が大きいらしく、地上波ではタブーである記者クラブ制度から、人気絶頂アイドルグループのAKB48、宝くじの批判まで、幅広く飛び出すのが面白い。

大震災以降は、東京電力や原発の問題点を批判し続けていますよ。

しかし、テレビ朝日の一部門になれば、こういった批判はできなくなるとみるのが自然でしょうね」……

 ……

 


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